「蒼天已死 黄天当立」

 蒼天航路1〜31巻まで読んだ。横山三国志に慣れてる僕としては、あんなマッチョでダイナミックな三国志は新鮮だった(笑)。無理やりジョジョで当てはめると第2部+ディオという雰囲気。
 話としては曹操が主役なのもいいし、三国志演義でなく正史に基づいた物語なのも新鮮で良かった。演義でおなじみの(ベタベタな脚色の)ストーリーがカットされてて、こっちの方が案外実像に近かったんだろな。劉備のキャラは横山版だとジョナサンのような紳士だけど、蒼天航路では普段テキトーだけどなぜか正義感あふれるジョセフ。より人間らしいのはこっちだな。劉備関羽張飛の義兄弟の関係も横山版の主従よりももっと「仲間」って感じ。劉備張飛のやり取りが結構面白いな。この漫画だと関羽はあんまり活躍しないし顔はヘンだし顔色はおかしいし、横山三国志より「神」に近くなってます(笑)。
 横山版が演義で「蜀漢」中心、蒼天航路が正史で「曹魏」中心なので、「孫呉」メインの漫画があってもいいかもしれない。でもこれってよっぽどオリジナリティ出さないと面白くなさそうなんだよな。孫堅孫策孫権と君主が他の2国よりコロコロ変わるから、感情移入しにくいと思うんだよな。ストーリーを演義にしても正史にしても知ってる話ばっかりだったら呉をメインにする意味がないだろな。