オルセー美術館展(画像はクロード・モネ「サン・ラザール駅」)

オルセー美術館

 どうも。dinner-rollです。最近東京などに行くと良く美術館に行っています。来月から国立新美術館オルセー美術館展 印象派の誕生 -描くことの自由-が始まるそうなので、これは確実に行きます。これはおすすめですよ。
http://orsay2014.jp/index.html

 “印象派の誕生”をテーマに、「印象派の殿堂」と称されるパリ・オルセー美術館から、珠玉の絵画84点が来日。今年は、1874年の第1回印象派展開催から140年の節目にあたるそうです。
 マネ、モネ、ルノワールドガセザンヌ印象派、同時代のコローやミレー、クールベのレアリスム、カバネル、ブグローらのアカデミスム絵画まで、時代の、オルセー美術館の“顔”ともいうべき名画が集結!これはマストビジットですね。
 僕が5年前にパリ旅行で行ったときには、画家の名前も画風もほとんど分からなかったんです。ただ、あれをきっかけに美術への興味が深くなったような気がしますね。

印象派とパンクロックの共通点

 ところでオルセー美術館印象派の成り立ちを知ったとき、ロック史におけるパンクとの共通点を感じて、とても感動しました。異端から始まったのがメインストリームになり、時代を変えたというところ。美術と音楽って共通点がありますね。

 パンクロック:ハードロック全盛期の1970年代、「演奏技術がないやつらは音楽をやる資格はない!」という時代。しかし技術がなくても俺たちはソウルがあるんだぜ。テクニックだけのペラペラな奴等には絶対に負けねえ!という勢いで出てきて、当時のリスナーのニーズとも合致し、一大ムーブメントに発展。パンク自体は数年で収束し、そのあとを引き継ぐ形でニューウェーブがメインストリームとなった。
 印象派肖像画をより正確に書く「写実主義」がステータス(=技術至上主義)だった19世紀、科学技術の発達で写真印刷が可能となった。写実主義は写真に任せて、さらにこれまでの既成概念(アカデミズム)から解放され、光の輝きや時間の移り変わりなど絵画でしか表現できないものを追求し、さまざまな芸術運動が生まれるきっかけとなった。ちなみに印象派の名前の由来は、第一回印象派展(のちに命名)で、モネの出展していた「印象、日の出」を見た新聞記者が、「印象的にヘタクソだ」と揶揄してつけたことによるそうです。

好きな画家について

最近というか、今好きな画家について。
ポール・セザンヌ …以前は彼の静物画の良さは全くわかりませんでしたが、全てのものを自分の見たい方向から描くという手法を知ったとき、感動して体が震えました。僕は、ピカソよりセザンヌの方が凄いと思う。
・マルク・シャガール …説明するまでもなく、彼の絵を見ると暖かい気持ちになって、なぜか涙が出てきます。ものすごく暖かい人だったんでしょうね。
ジョルジュ・ルオー …シャガールと同じく、彼も優しい人だったんだなと。ギュスターヴ・モローとの師弟関係の話など、たまらないです。
・ジョルジュ・スーラ …彼の「アニエールの水浴」という絵を見たときに、なぜだか心の深いところに触れられたような気がしました。印象派の中でも異端で、点描を使って科学的に絵画を発展させた人。長生きしてほしかった。
レオナール・フジタ …いわゆる「エコールド・パリ」の時代に、日本人としてフランスで確固たる地位を築いた彼。日本人として誇りに思います。第二次大戦中に戦争画をたくさん描いたという理由で戦犯扱いされ、日本を捨ててフランスに永住
したところには同情を禁じ得ません。
トゥールーズロートレック …平面的で違和感のない画風がすきですね。ジャポニズムの影響をもろに受けた彼だけに、日本人の我々が見ても違和感がないのかもしれませんね。
岡倉天心(番外編) …画家ではないですが。明治時代、東京美術学校(今の東京芸大)のトップで、革新的なことを次々にやってのけ、洋画に対してあくまで日本画の良さを信じ、突き通した人。最期は不遇でしたが、覚三さん(本名)尊敬してます。

面白かった本(美術関係)

知識ゼロからの西洋絵画史入門
「知識ゼロからの西洋絵画史入門」 山田五郎
 この本すごく分かりやすくて参考になります。山田五郎さん、この広く深く分かりやすい知識、知的好奇心の深さはホントに尊敬しますね。眼鏡を取ったときの目つきの鋭さも気になるお方。しかし、なんでも詳しい人って、基本的にいろんなジャンルに対するアプローチは同じなんでしょうね。